犬の発達段階 ~最期 – The last momentまで~


犬の発達段階に関しては、以下の4点をご念頭にお留め置きください。

1.
便宜的に期間を分けていますが、人間の目には期から期へ移行はなだらかに見える場合も突然に見える場合もあると思います。
また、人により期の長さや、その期への考え方等が違う場合もあります。

2.
犬の発達段階は個体差や犬種差があります。

3.
ほとんどの場合、ご自身の子供は巣立ちますが、あなたのわんこは巣立ちません。
あなたが一生世話をする必要、責任があります。

4.
ほとんどの場合、あなたより寿命が短く、あなたが看取る必要、責任があります。

出生前期 - Prenatal Period(この世に生を享ける前)

期間: 約9週間

開始のイベント/トリガー: 受精
終了のイベント/トリガー: 誕生

特徴:
母犬のお腹の中にいるときに様々な影響を受けます。
母犬が栄養不足な状態だったり、過度なストレスがかかっている状態の時に、母犬のお腹の中にいると、当然、生まれてくる子犬に悪影響を及ぼします。また、免疫に大切な初乳もいい状態のものではないかもしれません。
子犬を取得する場合は、母犬の状態が観察出来るところ、母犬の状態を見せてくれるところから子犬を取得する方がより良いと思います。

臨界期あるいは感受期 - Critical or Sensitive Periods

期間: 誕生からの約6ヶ月間

開始のイベント/トリガー: 誕生(新生子期の開始)
終了のイベント/トリガー: 性成熟の開始(若齢期の終了)


特徴:
以下の四つの期が臨界期あるいは感受期と呼ばれています。
新生子期 – Neonatal Period
移行期 – Transition Period
社会化期 – Socialization Period
若齢期 – Juvenile Period


その後の学習において、修復・修正が可能と考えるかあるいは不可能と考えるかによって「Critical」なのか「Sensitive」なのかに分かれると思います。個人的には、英語の学習にも個人差があるように、犬がする学習においても個体差があると思っています。
全ての個体において「Critical」であると証明でもされると絶望しかなくなってしまうので…。
いずれにしても、良い意味でも悪い意味でも外部環境から非常に影響を受けやすい時期であり、短いですが、非常に重要な時期です。
そして、特に後々の気質や性格にインパクトがあるのは03週齢~12週齢の約2ヶ月間の社会化期です。

臨界期仮説 – Wikipedia

新生子期 - Neonatal Period

期間: 00日齢~13日齢、00週齢~01週齢

開始のイベント/トリガー: ”一回目”の誕生
終了のイベント/トリガー: 視覚や聴覚を含めた身体機能も少しずつ発達し歩き始める
特徴:
・母犬から母乳をもらい、また、排泄も自分で出来ないので母犬になめてもらい促してもらいます。
母犬に依存してのみしか生きることが出来ません。

・視覚や聴覚はまだ機能していませんが、嗅覚と触覚は少し機能していると思われます。

・母親や同腹の子と寄り添い体温を維持します。

・母犬がなめる行為は子犬にとって適度なストレスになり、子犬の発達に有効です。

・母犬がなめると子犬はひっくり返りるときもあり、後々の服従のポーズの原型とも考えられます。

・母犬は子犬の排泄物を食べるので子犬がまねる場合もあります。

移行期 - Transition Period

期間: 14日齢~20日齢、02週齢
開始のイベント/トリガー: 感覚機能等の発達による母犬からの完全依存からの脱却
終了のイベント/トリガー: 乳歯の生え始め
特徴:
・排泄も自分で出来るようになり、母親に完全に依存して生きている状態からゆっくり自立しながら発達します。

・お腹がすくと母犬のマズルをなめはじめます。下位が上位をなめる元とも思われます。

・乳歯が生え始め、離乳も始まり、母犬から半分消化された食べ物をもらいます。

・視覚や聴覚が機能し始めますが、限定的です。

・感覚機能が急速に発達し始め、外界の刺激に気づき反応するようになります。

・兄弟で互いに舐め合い、周りのものを口を使って調べたり、兄弟姉妹同士の遊びも生まれてきます。

・運動能力も向上し立ち上がりぎこちなく歩き始めます。

社会化期 - Socialization Period

期間: 21日齢~90日齢、03週齢~12週齢、約01ヶ月齢~約03ヶ月齢
開始のイベント/トリガー: 身体機能のさらなる発達による母犬からの依存からのさらなる脱却
終了のイベント/トリガー: 警戒心や恐怖心の顕著化
特徴:

・社会化期は、犬や人とのコミュニケーション能力を養い、様々な刺激に馴れる時期であり、その犬の性格を形成する上で非常に重要な時期です。
この時期を母犬や兄弟姉妹犬と一緒に時を過ごせた犬となんらかの理由で過ごせなかった犬、
人間や人間社会に対して好意的な印象を持てた犬となんらかの理由で好意的な印象を持てなかった犬では、性格に大きな違いが現れます。

・他の個体や見知らぬ場所に対して興味を示し、探索行動も始まります。

・歯列も発達し、形のあるものを噛み、飲み込むことを覚えます

・感覚機能や運動機能が急激に発達するため、様々なものに反応するようになり、
周囲の環境などを認識しながら行動がするようになります。

・人間にとって都合の良い行動も都合の悪い行動もスポンジのように吸収し覚えていきます。

・初期では好奇心が警戒心より強く、
中期(7週齢前後)で交差し、
終期は、警戒心が好奇心より強くなります。
警戒心が完全に強くなることにより社会化期は終わりを告げ若齢期に移行します。

・社会化期前半では、、母犬や兄弟姉妹犬と一緒に成長し、主に犬社会のルールを学びます。
母犬や兄弟姉妹犬から噛みの抑制を覚える大事な時期です
兄弟犬と咬み合いをして、痛みや、咬みつきの抑制などコミュニケーション力やボディーランゲージを発達させます。
強く噛むと相手が遊びをやめるたりします。つまり、その子犬にとって楽しいことがなくなります。
兄弟姉妹犬との成長経験がないと、咬みつきに関する問題行動が発生することがあります。
食べ物にも強い関心を持ちはじめ、食べ物を奪い合うようになります。
人間には教えられないことをたくさん学ぶ時期でもあります。

・社会期後半では、飼い主等と一緒に成長し、主に人間社会のルールを学びます。
森羅万象が理想ですが、優先順位を付け、 好意的な印象が残る社会化を行います。
また、まだ犬同士の社会化も必要であり、パピー教室やこいぬの保育園等に参加するなどして、好意的な印象が残る社会化を行います。
そして、飼い主の価値観を明確にし(子犬の入手前からかもしれませんが)、社会化を行う必要もあります。
この時期は嫌悪刺激を用いたトレーニングをするべきではないと思います。

若齢期 - Juvenile Period

期間:
03ヶ月齢~06ヶ月齢

開始のイベント/トリガー: 警戒心や恐怖心の顕著化
終了のイベント/トリガー: 性成熟

特徴:

変化に対して過敏になって来ています。

(学問的なことは置いといて、若齢期という名称は社会化期に続く第二社会化期、あるいは、社会化期前半後半に続く第三社会化期と呼んだ方が一般的な飼い主さんにとっては分かりやすいのではないかなと思っています。)

ライフステージの一段階として

“青年期” – “Adolescent Period”
期間: 07ヶ月齢~12ヶ月齢
開始のイベント/トリガー: 性成熟
終了のイベント/トリガー: 身体的な成長の停止
特徴:
自分自身を守るためにも、好奇心より警戒心が強くなっているのがはっきりとわかります。
また、性成熟も始まり、自分や自分のテリトリーを守ろうという意識もうまれ、恐怖に対する感受性も高まっているので、吠えや攻撃行動がみられるようになります。ある意味、人間社会で言う「二回目の誕生」なのかもしれません。
社会化期やそれに続く若齢期は終了していますが、引き続き、出来るだけ社会化的な学習は必要です。
(基本的には、生涯にわたって社会化的作業な学習は必要かもしれませんが)

成犬期 – Adulthood

期間: 01歳~0*歳
開始のイベント/トリガー: 身体的な成長の停止
終了のイベント/トリガー: 肉体的な衰え?
特徴:

老犬期 – Seniorhood

期間: **歳~**歳
開始のイベント/トリガー: 肉体的な衰え?
終了のイベント/トリガー: 最期のそのとき
特徴:

最期 - The last moment

あなたのわんこは最期のそのときを迎えるにあたって、
あなたにこう話しかけているかもしれません。


Go with me on difficult journeys.
Never say,
“I can’t bear to watch it” or
“Let it happen in my absence”.
Everything is easier for me if you are there.
Remember I love you.


私が最期のそのときを迎えようとしているときはそばにいてください。
“私はもう見てはいられない”、”見ているのが辛いから”とか
“私の居ないところで逝かせてあげて”、”いたたまれないから私のいないときに…。”なんて絶対に言わないでください。
あなたが側にいてくれると私は身も心も楽になるんです。
どうか忘れないで下さい。
あなたのことが大好きです。

犬の十戒-The Ten Commandments of Dog Ownershipの十番目より


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